水深1000mの住人・深海魚ベニアコウ釣り

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日本最高峰、いや、世界最高峰の「遊漁船での深海釣り」といっても過言ではないベニアコウ釣り。

東京湾のシロギス釣りに始まった私の沖釣りライフは、とうとうこの領域にたどり着きました。

沖釣り初心者はもちろん、中級者にもお勧めできるとは言い難い釣り物なのですが、近年の深海ブームの波に乗らせていただき、今回はそんなベニアコウ釣りについて紹介させていただきます。

  ベニアコウとは漁師、釣り人の呼称で正式名称はオオサガ。関東以北の水深200m~1300mに生息しているそう。

北方海域では比較的浅い水深でも釣れるようですが、千葉や神奈川周辺で成魚が釣れる水深は1000m付近。

一言で1000mって言っても、実際の建物で比較するとスカイツリー634m+東京タワー333m=967mでもまだ足りない深さである。

そうなると当然道具仕立ても特殊で、PE12号(糸)を1400m巻け、更にそれ相応のパワーを持ち合わせているリールと、オモリ600号(2キロ)を背負える竿が必要になってくる。

新品でそろえるとこれだけで最低でも30万は必要である。

この時点でベニアコウ釣りをはじめるにあたり、既に大きな壁が存在してしまう。

更に仕掛けは基本売っていないので、自作が必要不可欠。釣り方も他の釣りとは全く違う概念が存在するといった、まさに究極の釣りなんです。

もはや「釣り」、というより「漁」といっても過言ではないレベルかもしれません。

 

 

リールはレバードラグ式の、もはやウインチといった方が良いような代物を使います。

分かりづらいですが、リールのカウンターは1155m。船長によると、ここのポイントの水深は1000m弱との事なので、潮の流れによる糸ふけだけで155m以上出ていることになります。


 

仕掛けは「胴突き」と呼ばれる縦に長い仕掛け。写真は8本針で間隔が3.5mある事から、捨て糸含め全長約30m。冶具と呼ばれる掛け枠に撒いて、船長の合図にて船後方から順番に仕掛けを落としていきます。

仕掛けの絡まり、準備の遅れ等で間に合わない場合は1回お休み。これ、深海釣りの鉄則なんです。

水深1000mを狙うベニアコウ釣りは仕掛け投入回数全4回。投入ミスは是が非でも避けたい所。

(因みに水深300~400mのキンメダイやアコウダイ釣りでは7~8回が基本)

 

 

写真は欲張って15本針で挑戦したもの。こうなると仕掛けの長さは実に50m以上。

仕掛けは回収したら船べりに並べ、次の仕掛けを落としている時や回収時に掛け枠に巻くようにする。

2組準備して交互に使う手法が基本。

 

 

釣れる魚が大きいのでクーラーボックスも大型。時には超大型深海魚のアブラボウズが釣れる事もあるため、この釣りでは50~80リットルが標準サイズ。

 

私の自己最高記録アブラボウズ31キロ。100キロを超えるものも釣れるらしい。

 

そして、こういう日に限って控えめな43リットルのクーラーボックスを持ちこんでしまったのでした。


アタリがあってもすぐには巻けず、船長の合図で一斉に巻くのもこの釣りの鉄則。長い糸を出しているので勝手に巻いてしまうとお祭りの原因になってしまうのです。

そして約30分かけて糸を巻いた後、気圧の変化で目がとび抜け、パンパンにお腹が膨張した赤い魚が100m前方に浮上!

ガッツポーズ、そして雄叫び!

歓喜の一時です^^

 

4キロのベニアコウ。これでも小型なんです。最大サイズは10キロを超えるそう。私もいつか釣ってみたい。(因みに自己最高記録は冒頭の写真の6.9キロ)

 

外道で釣れる魚も深海釣りならでは。

上からオニヒゲ、イバラヒゲ、ソコクロダラ、ホラアナゴ。

上3匹は、見かけは悪いけどタラの仲間という事で、あっさりした白身で意外と美味しい。そしてもっと見かけは悪いホラアナゴもマアナゴと似たような味で、煮たり天ぷらにしたりすると美味しい。

この釣りをはじめたばかりの時はそうとは知らず、気持ち悪がってすべて海鳥達のエサにしていました。

 

本命の顔を見る事はかなわなくとも、普段スーパー等では見る事ができない、ひょっとしたら新種発見、なんていう可能性も大いにあるこの釣り、まさに「ロマン」という名にふさわしい釣り物かもしれません。

 

 

 いかがでしたでしょうか。

詳しいテクニック等を書いてしまうとキリがないのですが、この記事にて超マニアックな深海釣りの世界を垣間見ていただけたら幸いに思います。

 

ベニアコウ、新宿のデパ地下で一度見た事があるのですが、それこそ目がとび出る位の値札がついていました。

そんな魚を思う存分堪能できるのは、この釣りをやっている者だけの特権。

無論、毎度釣れる訳ではなく、船中0なんていう日もざらなんです。

 

そんな幻レベルのターゲット、余す所なくいただきましょう。

 

鍋の具材として考えるならば、ベニアコウの右に出る物は皆無、って個人的に思っています。

 

銀座とかで食べたら「一体いくらするのだろう」って思ってしまった。

 

 

タラの仲間のオニヒゲとイバラヒゲは、当時1歳になろうとしていた長男の離乳食になりました。

 

ソコクロダラはさつま揚げやフライ等にしていただきました。

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